ブライスキャニオン国立公園
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ブライスキャニオン国立公園

色彩と侵食のなせる奇跡、ブライスキャニオン

ブライスキャニオン国立公園(Bryce Canyon National Park)は中心となる大峡谷がひとつあるというわけではなく、ユタ州西南部のポンソーガント高原(Paunsaugunt Plateau)の東端が侵食されてきた結果できた、いくつもの小峡谷によって構成されています。そしてこの侵食作用が数千年続いてきた結果、かすかにピンクや白、黄、赤といった色を見せる、なんとも奇妙ゥつ不安定な姿の岩々が何千も造り出されてきました。ブライスキャニオンの名は、近代になってこの地に最初に入植したモルモン教徒の農夫、Ebenezer Bryceに由来しています。ブライスキャニオンは、ネバダ州ラスベガス(Las Vegas, Nevada)から北東に270マイル(136キロ)、ソルトレイクシティ(Salt Lake City)からは南に、これも270マイル(136キロ)の所にあります。

Bryce Trees © John Crossely
しかし、標高が高いということはそれだけ空気も薄いということなので、比較的易しいハイキングでもかなり体力を消耗してしまうでしょう。

ピンククリフ(Pink Cliffs)の一部分を形成しているのが、ブライスキャニオンの背骨的存在とも言える山々です。このピンククリフはもっとも険しいだけでなく、地質学的にもグランド・ステアケース(Grand Staircase; 大階段)として知られる一連の断崖層の中で新しい部分でもあります。ユタ州南部に横たわるように延びるグランド・ステアケースは、色とりどりの砂岩層の侵食・隆起によって造られました。ブライスキャニオンの断崖はそれぞれ、その色で名前がつけられています。グランドキャニオン側から北に向かって順に、「チョコレート(Chocolate)」、「バーミリオン(Vermillion; 朱色。アリゾナのリースフェリー(Lees Ferry)周辺でもっとも美しく見られます)」、「ホワイト(White; ザイオンキャニオン(Zion Canyon)を取り囲んでいる色)」、そして「グレイ(Gray)」に「ピンク(Pink)」といった具合です。グランド・ステアケースの大部分は、最近指定されたばかりのグランドステアケース・エスカランテ国定公園(Grand Staircase ? Escalante National Monument)に含まれています。

ブライスキャニオンの姿は、主に水によって形づくられました。ピンククリフからパリアリバー(Paria River)に流れる雨や雪解け水の力で、尾根やフィン(fin)と呼ばれる断崖がつくられ、それがさらに侵食されて現在のような螺旋形や尖塔のような形状(総じてフードゥーHoodooとも呼ばれています)になりました。時とともに、これらの岩々もさらにまた削られ、そして侵食の場所もだんだん西へ西へと進んでいくのです。

沿道14ケ所のビューポイントで景色を満喫しましょう

Hoodoos © J Paul Meurant
ブライスキャニオンの姿は、主に水によって形づくられました。ピンククリフからパリアリバー(Paria River)に流れる雨や雪解け水の力で、尾根やフィン(fin)と呼ばれる断崖がつくられ、それがさらに侵食されて現在のような螺旋形や尖塔のような形状(総じてフードゥーHoodooとも呼ばれています)になりました。

ブライスキャニオンへは、その北東の隅を横切るシーニックハイウェイUT12号線で行くことができます。国立公園に入るには、このUT12号線から枝分かれして南に向かって尾根伝いに18マイル(約30キロ)ほど続く道を取るのですが、その途中にビューポイントが14ケ所あります。中でも最も有名なのがブライスポイント(Bryce Point)で、ここでは見渡す限りさまざまな形の岩々が広がる、最高の眺めを堪能できるでしょう。14ケ所の一番目はフェアリーランド・ポイント(Fairyland Point)で、ここはメインの峡谷をすこし小さくしたような、かわいらしい小峡谷です。このポイントは国立公園に入る手前にあるので、入場料を払わないでも景色を楽しめます。ビューポイントからは、南や東に100マイル(160キロ)先まで見渡せる所も珍しくないので、遠くレイク・パウエル(Lake Powell)やグランドキャニオンまで臨めることもあるのです。

近年の観光客増に従って、ここブライスキャニオンも夏場は交通規制が敷かれるようになってきました。車長25フィート(約5メートル)以上の車はブライスポイントまでで、その先はシャトルバスを利用することになります。また他の国立公園と同様、ブライスキャニオンを最大限に満喫するには主要道路から離れるのが一番です。トレイルも断崖のへりに続くものから、何層にもなっている谷底へと降りていくものまで、さまざまなものがあります。全長8マイル(約13キロ)のフェアリーランド・ループトレイル(Fairyland Loop Trail)はほとんど人もおらず、断崖の上から900フィート(300メートル)の高さを下りつつひときわ立派なフィンや螺旋状の岩々の間を歩くことのできる、最高のトレイルです。

夜明けのブライスキャニオンは魔法のひととき

「タワーブリッジ(Tower Bridge)」はロンドンのテムズ川にかかる橋と形が似ているから、というように、多くの岩形には公式に名前がつけられています。ブライスキャニオンがとりわけ美しくなるのは日の出時で、陰と光が急速に入れ替わってゆく様は風景をひときわ神秘的にしています。反面、日没時は大きい尾根の影が西側からキャニオンを覆い隠してしまいます。

ビジターセンターは標高7900フィート(2633メートル)、レインボーポイント(Rainbow Point)に至っては9100フィート(3033メートル)、と高標高にあるブライスキャニオンでは、同じユタ州の他の国立公園に比べ常に気温が低めなので、真夏のハイキングでもおおむね快適に楽しめます。しかし、標高が高いということはそれだけ空気も薄いということなので、比較的易しいハイキングでもかなり体力を消耗してしまうでしょう。それでもブライスキャニオン南端の、短いブリストルコーン・ループトレイル(Bristlecone Loop Trail)は、樹齢4千年・世界最古のブリストルコーン・パイン林を見るために、眺望鑑賞の時間を割いても歩く価値ありです。ブライスキャニオンは一年中開園していますが、冬の半年間は降雪もあります。

国立公園内の宿泊施設は限られますが、外に出れば不自由なし

国立公園管理局(National Park Service)はブライスキャニオン・ロッジ(Bryce Canyon Lodge)というモーテルのほか、キャンプ場2ケ所を公園内で経営しています。ブライスキャニオン・ロッジの予約は国立公園業者Xanterra www.Xanterra.com. を通じて可能です。このロッジにはレストラン、スナックの自販機、食料品店、キャンプ用品店、土産物屋も併設されています。宿泊施設はこの他にも、周辺の町ブライス(Bryce)、ハッチ(Hatch)、キャノンビル(Canonville)、パングイッチ(Panguitch)などにもあります。

原作筆者: John Crossley
訳: Etsuko Tada
上部写真撮影: © Alexandre Roussez
写真詳細: ブライスキャニオン国立公園