カントリー&ウエスタンミュージック
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カントリー&ウエスタンミュージック

イギリスからの初期移民の人々がアメリカと呼ばれた新しい土地に定住した際、彼らは自国の音楽も一緒に新しい国へ持ち込みました。この時持ち込まれた音楽には、イギリス系、スコットランド系、そしてアイランド系のダンスメロディー、フォークソング、さらにバラッドが含まれていました。アメリカ合衆国が国として成長するとともに、人々も多様化し、そして多種類の他の音楽が輸入され、これらの音楽はこの新しい国の文化へと吸収されました。

田舎のフォークミュージックが「カントリーミュージック」に

アメリカ南東部州や中西部州の孤立した地方コミュニティーでは、多数の居住者たちが彼らの出身地に由来するスコットランド系アイルランドの音楽を維持しました。彼らはこの音楽を「フォークミュージック」、「ヒルビリーミュージック」、または単に「カントリーミュージック」と呼びました。カントリーミュージックは、地方のフェスティバルや地元のフォーク・ダンスで人気なエンターテイメントでした。また、このカントリーミュージックは、その地方それぞれに独自でユニークなスタイルに発展して行きました。しかし、カントリーミュージックは常に、排他的な白人音楽にとどまりました。ほとんどのアメリカ黒人の人たちはカントリーミュージックを演奏したり、または聴いたりしません。

20世紀前半には、ラジオがアメリカ国内でのカントリーミュージックの本質を根本的に変えた革新をもたらしました。アメリカ南部のラジオ放送局では、田舎のラジオ聴衆者たちは地元の演奏、または地元地域の音楽演奏を聴くのを好む事をすぐに発見しました。そして、これらラジオ放送局では、カントリーミュージック・プログラムの放送を開始しました。これが初めて、アメリカ国内各地の地方ラジオ聴衆者たちが、国内の様々な地方で人気のある、異なるスタイルのフォークミュージックを聴く機会でした。

カントリーミュージックとラジオが「グランド・オール・オブリー(The Grand Ole Opry)」の発展を助長

テネシー州ナッシュビルのWSMフォークダンス・ラジオショーが、アメリカ国内で最も人気なカントリーミュージック放送番組になりました。このフォークダンス・ラジオショーが「グランド・オールド・オペラ」という名のクラッシック音楽番組の後に放送されたことから、カントリーミュージック演奏者たちはフォークダンス・ラジオショーを「グランド・オール・オブリー」と呼び始めました。グランド・オール・オブリーは、アメリカ国内多数のラジオ局によって再放送され、何万もの聴衆者に聞かれました。そしてすぐにグランド・オール・オブリーは、アメリカ国内で最も人気なカントリーミュージック番組になりました。このグランド・オール・オブリーは今でもその人気を維持し続けています。 

75年以上に渡りグランド・オール・オブリーは、カントリーミュージック、カントリーソングやカントリーユーモアとともに毎週土曜日の夜に放送されています。今日でも、グランド・オール・オブリーのラジオ放送とテレビ放送は、世界で最も多くの人々に聞かれ、最も多く見られているカントリーミュージックエンタテイメントです。このグランド・オール・オブリーは、1943年から1977年までテネシー州ナッシュビルにあるライマン公会堂から放送されていました。それ以降は、ナッシュビルの北へ数マイル行ったミュージック・バレーにある新しい放送スタジオに移りました。

ナッシュビルが音楽都市に

長年に渡り多数のカントリーミュージック演奏者たちが、ギターを背中に掛け、またバイオリンを抱え、ナッシュビルに集まって来ました。彼らは名声、富、そしてグランド・オール・オブリーに出演するチャンスを得るためにナッシュビルにやって来ました。これらナッシュビルに集まってきた人たちのほとんどは、ナッシュビルに数あるホンキートンクなバーのうちの一軒で演奏するだけで終わりました。また、彼らのうちの数人かは、観光客からの少しのお金目当てに路上で演奏していました。

このカントリーミュージックの才能の殺到は、ナッシュビルに最初のカントリーミュージック・レコーディングスタジオの設置をあおり立てました。そして今日、ほとんど全ての主要な国際的レコーディング会社がナッシュビル・スタジオを持っています。このことからナッシュビルは「一番のカントリーミュージック制作地」、さらに「音楽都市」と呼ばれています。

ミュージシャンの歴史的な写真 © Library of Congress - Lomax Collection
初期カントリーミュージックは、ギター、バンジョー、バイオリン、そして素朴な手製の楽器などを演奏者たちが自己流にかき鳴らすものでした。

カントリーミュージックがカントリーウエスタンミュージックに

1930年代には、ハリウッド・スタジオがカウボーイ映画の撮影に夢中になりました。歌うカウボーイたちの人気は沸騰し、さらにウエスタンミュージックがとても人気を得ました。これらのハリウッド映画スタジオでは、ウエスタン映画に出演しウエスタンソングを歌う、カントリーミュージック演奏者たちを採用しました。カントリーミュージックとウエスタンミュージックのこの関連性が固く確立しました。そして今日、これら2つの個別スタイルの音楽は、「カントリーウエスタンミュージック」のタイトルでよく1つの音楽ジャンルにまとめられます。

初期カントリーミュージックは、ギター、バンジョー、バイオリン、そして素朴な手製の楽器などを演奏者たちが自己流にかき鳴らすものでした。これらカントリーミュージック演奏者たちのほとんどは、強い南部の人特有の母音を伸ばした話しぶりで歌う、または特有の方言を鼻にかけ伸ばしたように歌いました。彼らの音楽はその地方の人々によってのみ喜ばれました。しかし、今日、カントリーミュージックはとても洗練された、スポンサーつきのエンターテイメントになりました。世界中の人々がカントリーミュージックを聴きます。純正派カントリーミュージック愛好家の中には、このポップ化した新しいカントリーミュージックは、本来のカントリーミュージックの魂と権威の真髄を失ったと言います。

カントリーミュージックはカーター・ファミリーと始まった

T1900年代初頭には、フィドリン・ジョン・カースン(Fiddlin John Carson)、ヴァーノン・ダルハート(Vernon Dalhart)、アル・ホップキンズ(Al Hopkins)とヒルビリーズ、そしてジミー・ロジャース(Jimmie Rodgers)のような最初の商業的に成功したカントリーミュージック演奏者たちが本格的に活動しだしました。また、シンプルなメロディとゴスペル調の曲のカーター・ファミリー(Carter Family)も活動を始めました。カーター・ファミリーは「ウィル・ザ・サークル・ビー・アンブロークン」、「キープ・オン・ザ・サニー・サイド」、「ワバッシュ・キャノンボール」といったカントリーミュージックのクラッシックとなった多数の歌をヒットさせました。

ロイ・エイカフ(Roy Acuff)、ジョニー・キャッシュ(Johnny Cash)、テックス・リッター(Tex Ritter)、マール・ハガード(Merle Haggard)、ロレッタ・リン(Loretta Lynn)、タミー・ウィネット(Tammy Wynette)、チャーリー・プライド(Charley Pride)、ドリー・パートン(Dolly Parton)、ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)、そして多数の他の著名なミュージシャンたちが初期カントリーミュージック先駆者たちの歩んだ道を進みました。その中でも、ハンク・ウィリアムス・シニア(Hank Williams)やパッツィ・クライン(Patsy Cline)が恐らく最も有名です。「ユア・チーティン・ハート」のハンクの演奏やパッツィのレコード「クレイジー」は、最も良く知られている2つのカントリーミュージックヒットです。

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今まで以上にカントリーウエスタンミュージックの人気に火がつく

リッキー・スキャッグス(Ricky Scaggs)、ガース・ブルックス(Garth Brooks)、ジャッズ(The Judds)、タニヤ・タッカー(Tanya Tucker)、そしてリーバ・マッキンタイア(Reba McEntire)のようなモダンミュージシャンたちが、カントリーミュージックを世界的人気市場のトップへと持ち上げました。また、過去にヒットしたオリジナルな古いヒルビリー音楽が、新しく異なるスタイルの音楽を多数生み出しました。ポップ・カントリー、ニュー・カントリー、カントリー・ロック、ロカビリー、ブルーグラス、ウエスタン・スイング、ホンキートンク、ナッシュビル・サウンド、アウトロー・カントリー、アーバン・カウボーイ、そしてトラディショナル・カントリーの全てが「カントリーウエスタンミュージック」というタイトルを共有します。

今でもカントリーウエスタンミュージックは、アメリカ国内の地方の人々に最も人気な音楽です。また、特に、綺麗な新しいスタジオで収録されるバラエティショーのモダン・カントリーミュージックは、都市に住む洗練された人々や国際的な知識人たちをも魅了します。

もしもアメリカでカントリーウエスタンミュージックを本当に体験したいなら、テネシー州ナッシュビルを訪れグランド・オール・オブリーの収録を見学する、または未来のカントリーミュージックスターの音楽を聞きにナッシュビルのブロード・ストリートにあるホンキートンクなバーに行くことができます。ミズーリ州ブランソンを訪れ、多数の有名なオールタイム・カントリーミュージックスターの定期的演奏を聞きくことができます。サウス・カロライナ州のマートルビーチにあるアラバマシアターまたはガトリン・ブラザーズシアターでカントリーミュージック演奏を聴くことができます。テネシー州ガトリンバーグ近くにあるドリー・パートンズ・ドリウッド(Dolly Parton's Dollywood)を訪れることもできます。素晴らしいカントリーミュージック演奏をラスベガスショーでも見ることができます。

原作筆者: Mike Leco
訳: Yoko Sugiyama
上部写真撮影: ブランソン・レイクエリア商工会議所
写真詳細: ステージでカントリー・ウエスタン・バンドが演奏しています。